1. 主要ページへ移動
  2. メニューへ移動
  3. ページ下へ移動

コラム

記事公開日

製品に欠かせない取扱説明書の作り方とは?必要な理由や作成手順を解説

製品を購入したユーザーが正しく安全に操作するために、取扱説明書は不可欠な存在です。しかし、いざ作成しようとすると、何から手をつければよいか分からず、対応に苦慮する担当者も少なくありません。不十分な説明書はユーザーの混乱を招くだけでなく、思わぬトラブルにつながることもあります。

また、内容の不備が法的リスクに発展するケースもあるため、作成にあたっては基本となるプロセスを正しく理解し、計画的に進めることが大切です。本記事では、取扱説明書が必要とされる理由や業務マニュアルとの違い、具体的な作成手順について詳しく解説します。

取扱説明書が必要とされる理由

製品に取扱説明書を添付することには、単なる使い方の説明を超えた重要な意義があります。企業としての責任を果たすためにも、その必要性をしっかり理解しておくことが大切です。

製品を安全に使用するための措置

最優先されるべき理由は、ユーザーが製品を安全に取り扱えるようにすることです。電気や刃物、薬品などを扱う製品は、誤った使い方をすれば重大な事故につながる危険性があります。誤った操作によるケガや事故は、未然に防がなければなりません。
そのために、正しい操作手順を示すとともに、危険を伴う行為については事前に警告しなければなりません。安全に関する情報を分かりやすく伝えることは、ユーザーの命や健康を守るうえで欠かせない対応です。

企業の法的リスクと法規制への対応

もう一つの重要な視点は、企業自身のリスク管理です。日本には製造物責任法(PL法)が定められており、製品の欠陥によって損害が生じた場合の企業の責任が厳しく問われます。この欠陥には、製品自体の不良だけでなく、取扱説明書における指示や警告の不備も含まれるのが特徴です。つまり、適切な警告が記載されていなかったために事故が起きた場合、企業は法的責任を免れません。
また、業界ごとに定められた安全基準や法規制に沿った内容で作成することも必要です。取扱説明書を正しく作成することは、法令遵守と企業の社会的信用を維持するうえでも重要な対応です。

業務マニュアルとの違い

社内で日常的に使われている業務マニュアルと、製品に添付する取扱説明書は、名前は似ていても全く異なる性質を持っています。

対象となる読み手の知識レベル

業務マニュアルは、一定の研修を受け、基礎知識を持っている従業員が読むことを想定しています。そのため、業界の専門用語や独自の社内用語をそのまま使用しても、大きな支障はありません。これに対して、取扱説明書の読み手は製品を購入した不特定多数の一般ユーザーです。
そのため、製品に関する知識を全く持っていない幅広い層が目にする可能性を考慮することが大切です。専門用語をそのまま並べることは避け、誰もが直感的に理解できる平易な表現を心がける必要があります。

求められる情報の網羅性と専門性

業務マニュアルでは、ある程度の判断を作業者の裁量に委ねる余地が残されているケースもあります。しかし、製品の取扱説明書においては、ユーザーが自己判断で間違った操作をしないよう、厳密な網羅性が求められます。パッケージを開けた瞬間から、設置、初期設定、日常のお手入れ、迅速なトラブル対応、そして廃棄に至るまでの全てのフェーズをカバーしなければなりません。
さらに、専門的な内容をただ難しく書くのではなく、専門知識に基づいた正しい情報をいかに分かりやすく伝えるかが重要になります。このように、対象読者の違いによって、ドキュメントの設計方針は大きく変わります。

作成する前の準備

質の高い取扱説明書をスムーズに仕上げるためには、いきなり執筆に入るのではなく、事前の準備をしっかり整えることが大切です。

対象者と利用シーンの明確化

まず行うべきなのは、製品を誰がどのような場面で使用するのかを明確にすることです。一般の家庭でリラックスして使われる製品と、工場などの過酷な現場で手袋をはめた状態で使われる機器では、必要な説明のトーンが異なります。暗い場所で使用されることが想定されるならば、文字サイズを大きくしたり、図版を多用したりする工夫が必要になるでしょう。
読み手の人物像や使用される環境を具体的に想定することで、どのような表現が最適であるかが自然と見えてきます。利用シーンを意識した設計が、ユーザーにとって本当に使いやすい説明書づくりの出発点になります。

記載範囲の決定と体制の構築

次に、取扱説明書をどのような形式で構成するかを決定します。基本的な操作手順をまとめたクイックガイドと、詳細なトラブルシューティングや保守点検を含む本冊に分けるのか、それとも一冊にまとめるのかによって、必要なボリュームや制作体制は大きく変わります。また、各項目をどこまで詳しく説明するかも、あらかじめ方針を決めておくことが重要です。
同時に、社内の開発部門や品質保証部門、あるいは外部の印刷会社や編集パートナーを含めた確実な制作体制を構築します。誰が原稿を書き、誰が技術的な正確性をチェックするのかという役割分担をあらかじめ明確にしておくことで、無駄のない進行が可能になります。

基本的な作成手順

準備が整ったら、いよいよ具体的な制作プロセスへと移っていきます。基本となる手順は主に3つのステップに分かれます。

掲載情報の洗い出しと整理

最初のステップは、製品に関するあらゆる情報を洗い出す作業です。製品の仕様書や設計データ、試作機をもとに、ユーザーに伝えるべき機能や操作手順をリストアップしていきます。この段階では、情報の過不足がないように、関連する部署から広く意見を募ることが効果的です。
集めた膨大な情報の中から、ユーザーにとっての重要度や緊急度に応じて優先順位をつけて整理します。危険を伴う警告情報など、最優先で伝えるべき項目を明確にすることが、この作業の重要な目的です。

全体構成の設計と執筆

情報が整理できたら、それらをどのような順番で配置するかという骨組みにあたる全体構成を設計します。ユーザーが製品を開封してから使い始めるまでの時系列に沿って章を立てることが、分かりやすい構成の基本です。構成が確定した後に、具体的な文章の執筆と、それを補完するイラストや写真の配置を進めていきます。一文は短くまとめ、一つの文章には一つの指示だけを盛り込むように意識しながらライティングを行うことが大切です。図版とテキストが互いを補い合うレイアウトを意識することで、視覚的にも理解しやすい紙面に仕上がります。

レビューの実施と定期的な更新

原稿がまとまったら、複数の視点からレビューを実施しましょう。開発担当者による技術的なチェックはもちろん、製品のことを全く知らない第三者に読んでもらい、分かりにくい箇所がないか検証することが重要です。ここで見つかった課題を修正し、ようやく最終的な取扱説明書として完成を迎えます。
しかし、説明書の役割は製品を出荷して終わりではありません。製品のマイナーチェンジや、ユーザーから寄せられた問い合わせ内容を踏まえて、定期的に内容を更新していく必要があります。常に最新の状態を保ち、より分かりやすい内容に改善し続ける運用体制を整えることが、企業の信頼性を高めることにつながります。

まとめ

取扱説明書は、ユーザーが製品を安全に、快適に使うために欠かせないものです。その作成には、安全性の確保や法的リスクの回避といった責任が伴うと同時に、業務マニュアルとは異なる専門性も必要です。事前の準備をしっかり行い、情報の洗い出しから構成の設計、レビューという基本の手順を丁寧に踏むことが、質の高い説明書づくりの近道です。

一連のプロセスを社内だけで完結させるのが難しい場合は、信頼できる外部の専門パートナーの知見を借りることも有力な選択肢です。ユーザーにとって使いやすい取扱説明書を用意することが、製品の価値を高めることにつながります。

弘久社では、長年の経験と実績で皆様の印刷業務をサポートしております。

企画・デザインから印刷、在庫管理、発送まで、お客様のニーズに合わせた最適なソリューションをご提案いたします。ぜひ一度、お気軽にご相談ください。

Contact

お問い合わせ

印刷・印刷にかかわる業務はまるごとおまかせ!
「こんなことはできる?」と思ったら、まずはご相談ください。

お電話でのお問い合わせ

042-536-3511

9:00~17:30 ※土日・祝日除く